惣菜かわむら blog

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料理人の給料の話

おはようございます。

 

ただ今午前4時です^^;

 

家の目の前で下水道管交換工事をやってて、工事音と強烈な照明の明かりで目が覚めてしまいました。

 

もう仕方ないので、ブログでも書くかという流れでコーヒー淹れてきました。

 

今日は「料理人の給料」についてやってみようかなと思います。

 

というのも、昨夜大先輩から電話がありました。

 

僕の店の近況を心配して連絡してきてくれたのです。

本当にありがたいです。

 

色々話した中で、料理長として雇われで仕事を続けていくことへの不安を感じているというお話にとても共感しました。

 

なぜ共感したかといえば、僕もこれまで料理人として仕事をさせていただいてきた中で、同じ不安を感じた事が独立を決心した一因だったからです。

 

料理長とは、調理場という部署の最高責任者です。

その料理長が感じる不安には色々なものがあります。

その不安の中で「給料」という視点で見てみます。

 

 

1、「料理長って稼げるの?」

ぶっちゃけイメージほど稼げません。

 

日本料理の料理人としての平均年収はザックリ350万らしいです。

そして料理長の平均年収は430万だそうです。

 

8年前僕が料理長をしてた時は450万だったので、だいたい合ってるかなと思います。

 

料理長になるためには10年以上の経験や、高い技術、専門性が求められます。

そうした敷居の割りに意外と給料は低いと感じる人は少なくないかと思います。

 

 

2、なぜ習得に時間の掛かる高い技術や専門性の割りに給料は安いのか

 

この疑問を持つ人も少なくないかと思います。

むしろ考えたことが無い人はいないかと思います。(笑)

 

そして僕もそうだったように、多くの人が勘違いした答えに行きつきます。

「上司や社長が自分を評価せずに、給料を上げてくれないからだ!」

 

たぶん料理人の皆さんは一度は考えた事だと思います。

 

でも、多くの場合で、これは間違えです。

 

そもそも、給料とはどういうものなのでしょう。

「労働に対する対価でしょ」

ここに、雇用者側と労働者側で認識に違いが起こります。

給料とは、「その人が生み出した生産価値である」ちょっとわかりずらいですね。

 

分かりやすくするために料理人としての給料で見てみます。

 

料理人は料理を作って、勤めている会社やお店から給料をもらいます。

会社やお店は料理やサービスを提供して、お客さんから代金をもらいます。

 

つまり料理人は料理を作って、お客さんから売り上げの一部を給料として受け取っているわけです。

 

・・・当たり前だろ!!ってなりますよね(笑)

 

では、こう考えてみましょう。

料理人としてあなたは会社から年収350万の給料をもらっていますが、少ない!と不満があったとします。

「自分はこんなに頑張って美味しい料理を作って、お客さんからもとても喜ばれている!」と思っていたとします。

 

上司や社長もそんなあなたを見て「がんばってるなあ!これは給料上げてやらなきゃな!」と思ったとします。

 

さて、感情だけでその料理人の給料を上限なしに上げてあげられるでしょうか。

 

そうです。出来ないのです。

どんなに評価してあげたくても、会社として店としての売り上げが上がらなければ給料を上げてあげることは出来ないのです。

 

つまり、どんなに高等な専門的技術や知識を習得し、お客さんからも高評価を得ていたとしても、その料理人の給料というのは上がりません。

逆に言えば、専門的な技術や知識が無かったとしても、会社や店が繁盛していて売り上げが高ければ給料は高くなるのです。

 

理解している人もおられるかと思いますが、僕がこれに気が付いたのは半年前・・独立を決意して勉強を始めてからでした。

 

3、独立って・・年収下がるじゃん

 

実際始める前からわかってましたが、年収下がると思います。

 

なんならリスクが高くて失敗する確率のほうが高いです。

 

んじゃなんで独立したの?・・ってなりますよね・・

 

理由1 好きなものを自由に作りたかった

雇われで料理人として料理を作っていれば、例え料理長だったとしても100%思いどうりの料理が作れるわけではありません。

作りたくないと思うものでも仕事ですから作らなければいけません。

僕はそれが嫌でした。

自分が美味しいと思ったものを、自由に作ってみたかったのが一つの理由でした。

 

理由2 ストレスが多すぎた

多くの場合、料理は複数人で協力して作り上げます。

日本料理には「持ち場」というセクションに分かれており、「煮方」「板場」「追い回し」などがあります。

そしていろんな人がいるという事は当たり前ですが人間関係における問題がそこそこ起こります。

問題点は、「業界自体」にもあります。

日本料理には風土として現在もなお「封建制度」が存在し、様々な非効率で非生産的な環境にあります。

もちろん文化として尊重されるべき部分もあるかと思いますが、将来を担う若い世代には悪しき慣習としてストレスになることのほうが多いと感じます。

そして、こうした環境を改善していくには、天動説と同じで今の上の人たち(保守派)がリタイヤしないと変わらないと思います。

 

他にも細かな理由はありますが、今から思い返してみると独立した根本的な理由は収入では無かったような気がします。

 

このほかにも料理人の「給料」が安い理由は色々あります。

今日は始業時間になりましたので、また次回の機会にしようと思います。

 

つまらないお話しで失礼しました(笑)